好きなスパイスのひとつ、クミン。そのふわりと甘く紫蘇のような独特の香りが鼻孔をくすぐります。スパイスという取っつきにくいイメージを払拭するかのように、クミンは大抵の料理との相性が良く、使い勝手のいいスパイス。カレー以外にドレッシングや炒め物、スープなどいろいろ使える有能な台所の相棒です。
スパイスを使い始めたころ、とにかくいろんなスパイスを買い揃えることに躍起になっていたけれど、使い続けるうちにたくさんのスパイスは淘汰され、手元には自分の好きなスパイスが残りました。しかし、まだまだ青二才。スパイス上級者に昇級した気になっているわたしは、パウダーよりもシードを使っているほうがかっこいいと思い込み、乳鉢でゴリゴリすり潰す工程の「やっている感」に酔いしれていたものです。シードにはシードの、パウダーにはパウダーの良さがあると気づいたのはもう少し先のこと。
今夏は、身体が暑さに慣れる前に夏日が続き、じりじりと暑い日差しに体力もやる気も奪われています。こんなときは食欲増進や消化の促進、抗酸化作用のあるクミンがおすすめ。紫外線を浴びると、皮膚の細胞内に活性酸素が発生し、皮膚や血管などを酸化させ、細胞の老化が促進されます。クミンには抗酸化作用を持つ成分が含まれているので、シミやしわなど老化防止となるわけです!
気力があればカレーがぴったりなんだけど、切ったり煮込んだりするのも面倒なときってあるじゃないですか。でもちゃんと栄養のあるものを食べたいし、ちゃっちゃっと作りたい。もうダイレクトにクミンと小麦粉を混ぜ合わせて鶏もも肉にまぶして焼いてしまえー!って感じの料理が、クミンを鶏もも肉にまぶして焼くだけの楽ちんメニュー。
さて共感してくれる人は少ないかもしれませんが、クミンの香りをかぐと懐かしい気持ちになるんです。といっても子どものころにクミンを使った料理は食べた経験がないし、見たこともない。どうしてだろうと不思議に感じていたのですが、その懐かしい何かが判明。そうそれは、ウメミンツ。子どものころ、小銭片手にいそいそと向かった駄菓子屋で買ったウメミンツの香りと似ているのです。狭い店内で雑多にならんでいる駄菓子やおもちゃ。それと手に持った小さなかごを交互に見つめながら何十分と悩む。駄菓子屋さんで繰り広げられる真剣な時間。スーパーのお菓子と一線を画す世界観が大人になっても特別なものとして強く記憶に残るものですね。
駄菓子屋に向かうワクワクした気分を思い出しながら焼き上がりを待つうちに、不思議と元気になっているのでした。
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