ハイビスカスとの出会い

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ハイビスカスの漬け酒と出会う前のハイビスカスのイメージは、南国の花、ハワイ、フラダンス、ハーブティー程度。そんな僕がハイビスカスに魅力を感じ、自身の漬け酒レシピの中でもTop10に入るくらい心を奪われた話をしたいと思います。

ハイビスカスとの出会い

出会いは思いがけずに

ハイビスカスを漬ける前に、ハーブはいくつか漬けたことがありました。漬け酒のメッカのひとつであるインド洋に浮かぶモーリシャスでは、花やハーブの漬け酒も盛んで、ハーブをメインにした漬け酒に挑戦してみようとローズヒップの漬け酒をつくったことがあります。どこから手をつけようか悩んだ結果、水出しハーブティーの作り方を参考に分量や抽出の具合を探りつつ試作。完成したものは想像よりも良い仕上がりで、ハーブの漬け酒もいろいろ試してみたいと思っていました。

そんなとき、知り合いの業者の方から「漬け酒にどうですか」とメキシコのハイビスカスをいただき、これは良い機会だと思いさっそく試してみることに。

このハイビスカスはメキシコ産なのに「jamaica」と書いて「ハマイカ」と発音するらしく、なんだかこんがらがってしまいますが、中南米カリブではハマイカティーとして広く親しまれているそうです。ちなみに、ハイビスカスティーの原料にされているハイビスカスは、一般的にハイビスカスと呼ばれる仏桑花(ぶっそうげ)ではなく、「ローゼル」という同じフヨウ属に分類される植物です。ローゼルの花言葉は「華やか」、「新たな恋」。インドからマレーシアが原産で、西アフリカに導入されてからは熱帯、亜熱帯地域で広く栽培されています。ローゼルにも学名にハイビスカスと付くことから、ハイビスカスティーと呼ばれています。お茶にされるのは、花が枯れて大きく育ったガクの部分です。あのクレオパトラもお茶にして飲んでいたとか。

ローズヒップの経験を元に漬けてみると、ほんの数時間でみるみる鮮やかな赤色に染まってゆく。その美しさにすっかり心を奪われてしまいました。そして数日後にはその酸っぱさにも驚かされました。いわゆるハイビスカスあるある的なことで、ハイビスカスティーを初めて淹れたり飲んだりした方が洗礼を受ける体験のようです。ともあれ、加糖してほどよいバランスに調整できたので、ハラハラさせられつつも結果的には良い仕上がりになりました。そうして生まれたハイビスカスの漬け酒。本当に色合いも味わいも美しく魅惑的。自身の漬け酒レシピの中でもTop10に入ります。銘柄を替えながら漬け込んでみても安定して美味しく仕上がる、もはや定番、もはや恋。

なぜ夢中になってしまったのか

ところで、何故こんなにも気に入ってしまったのか。
ここ数年、赤ワインが好きになり家でもよく飲むようになりました。僕は果実味が豊かで酸味とタンニンはほどほどに、中重口くらいの赤ワインが好みなんですが、ハイビスカスの漬け酒は赤ワインと重なる部分があり、口当たりも赤ワインを飲んでいるかのように楽しめます。それもそのはず、ハイビスカスに含まれる成分にもポルフェノール、アントシアニン、ビタミンC、クエン酸などワインと共通する要素が多いからなんですね。なので、赤ワイン好きにもお勧めしたいし、赤ワインを参考にしたペアリングも楽しめます。お勧めのペアリングは、柴漬け、いぶりがっこ、チーズなど。まだまだ試してみたい食材があり、楽しみは広がるばかり。まさに、新たな恋のはじまり。
突然訪れるラブストーリーを皆さんもお試しあれ。

ハイビスカスの漬け酒のレシピ

執筆者:漬け酒研究室 山本浩二

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