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- 漬け酒づくり・それぞれのスタイルとその理由
今回は、漬け酒づくりの「スタイル=手法」についてお話します。
漬け酒の魅力には、ルールにとらわれず自由に創作ができ、その積み重ねが各々独自のスタイルになってゆく楽しさがあります。漬け酒研究室でも現在のところ、基本の作り方を含めた4つのスタイルを使いわけていますが、それぞれ用途に合わせて考案されてきたものです。好みや用途に合わせて、ぜひ参考にしてみてください。
目次
基本スタイル・生の具材を大ぶりのガラス容器(500ml~3L)で漬け込む
フレンチカリブ・ラテン諸国などで見られる「ラムアランジェ=アレンジラム」、「ラムパンチ」の手法を参考にした基本スタイルです。
特徴
- 大ぶりの容器で、いかにも漬け酒然とした存在感のある佇まい
- 主に生の具材を使う
- 具材の処理が簡単なので、思い立った時にすぐに取りかかれる
- 容器のサイズやデザインなど、お好みのビジュアルを選べる楽しさがある
- 広口の容器は大きな具材を入れられ、カットの形状も自由。完成後の具材の入れ替えなどのアレンジもしやすい
備考
- 完成後の味わいの変化が早い
- 予め容器の洗浄・消毒が必要
- グラスに注ぐ際はレードルと茶こしが必要
生の具材を原酒銘柄の空ボトル(680ml~700ml )で漬け込む
ラテン諸国の露店でお土産として売られているスタイルに、予め具材の入ったボトルを後から原酒で満たす手法があり、そこから着想を得ました。飲食店での提供やイベントへの出品など複数銘柄のレシピを同時進行で仕込む際に容器の洗浄・消毒などの作業面の時短化や提供のしやすさ、銘柄のPRなどを考慮したスタイルです。
特徴
- 銘柄がひと目でわかる
- 容器の洗浄・消毒を省略でき、時短を図れる
- 具財のサイズや形状は口径の範囲なら自由
- 具材の処理が簡単なのですぐに取りかかれる
- 果実の瑞々しさが感じられる
- ボトルから直接グラスに注げる
備考
- 原酒と同銘柄の空ボトルがセットで必要
- 完成後の飲める量はボトルの容量の6割程度が目安
- 予め、空ボトルを少量(30ml程度)の原酒で濯ぐ
- グラスに注ぐ際は茶こしが必要
乾燥具材を原酒ボトル680ml~700ml に直接漬け込む
フレンチカリブ諸国の人気レシピで、主に乾燥させたオレンジの果皮を漬け込む「シュラブ」があり、そこから着想を得ました。仕上がりの味わいの濃厚さは具材の量と抽出具合が決め手となります。具材を乾燥させることでその風味が凝縮され体積も小さくなる為、容器に具材をより多く入れられ、抽出濃度も高く豊かな味わいに仕上がります。また、ドライフルーツを手作りするのも現地感があって楽しいです。
特徴
- 銘柄のラベルにより、ひと目で原酒銘柄がわかる
- 容器の洗浄・消毒を省略でき、時短を図れる
- 具財のサイズや形状は口径の範囲なら自由
- 具材の風味が豊かで濃厚な仕上がりになる
- ボトルから直接グラスに注げる
備考
- 予め、原酒を適量(45ml~75ml)抜く
- ドライフルーツを手作りしたり手配する時間が必要
- 市販のドライフルーツは購入可能。無加糖、無添加のものを選ぶ
乾燥具材を小瓶で漬け込む(100~200ml程度)
前述のスタイルの特徴を踏まえ、ギフト商品としてミニチュア化したスタイルです。さらに手軽さと遊びの要素が加わり、飲みきりサイズで「漬けくらべ」などレシピ開発や実験にも便利
特徴
- 通常のサイズ(670ml)に比べて圧倒的に早く仕上がる(7~10日間目安)
- 1本のボトルから数種類のバリエーションを作ることができる
- 手軽で遊びの要素も高く、漬けくらべなどレシピ開発や実験にも最適
- 飲みきりサイズなので、屋外シーンなど外出先への持ち運びが楽
- ちょっとした贈り物や、並べてコレクションする楽しみも
備考
- 最初に具材を入れ、次に原酒で満たす
- ドライフルーツを手作りする場合は2日必要(58度/36h)
- 市販のドライフルーツは購入可能。無加糖、無添加のものを選ぶ
- グラスに注ぐ際は茶こしが必要
- 予め容器の洗浄・消毒が必要
このように実際に作ってみると、それぞれの視点でさらなる気づきがあって面白いと思います。
日々の暮らしが豊かになる「漬け酒ライフ」ぜひ、お試しください。
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