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お客さまから「漬け込み酒はどんな飲み方がオススメですか?」と質問されることがあります。漬け込み酒は完成後から日々を追うごとに味わいが変化してゆくので、その時々の状態に寄り添って飲み方を選んでいただくのが良いと思います。
今回は、状態に合わせたオススメの飲み方を紹介します。具材との相性や味の好みもあるので、大まかな目安として参考にしてください。
漬け込み酒の飲み方
完成してから1週間くらい
フレッシュな状態ではストレートがおすすめ。
瑞々しさや華やかさ、キレの良い刺激が味わえます。この時期ならではの「旬」の愉しみと言えるでしょう。
2週間め以降
少し重厚感が出てきたら、ロックで。
ロックにすると、冷気の効果で香りが華やかになり、瑞々しく感じられる場合があります。口当たりもやさしくなるので、スーッと軽く飲めます。
以降は…
日々味は変化してゆくので、具材の風味が薄れてきたり雑味を感じるようになったら、炭酸系の割りものやカクテルにして、アレンジを加えるのもまた愉しいです。
割りものやカクテルとは
コーラで割るとフレーバーコークのような味わいに。トニックで割れば甘みとキニーネの苦みが雑味を和らげて、スムースな口当たりになります。
ポイントはライムかレモンを絞ること。柑橘味が加わることで味にまとまりが生まれます。つまり、甘みと酸味のバランスが重要となります。
そういった意味でも、手軽に作れて、特にオススメな飲み方は「カイピ」です。私見しては、甘みと酸味、お酒のバランスが完璧なカクテルだと思っています。
「カイピリーニャ」は、カシャッサをベースにしたブラジルの国民的なカクテルですが、ベースをラム酒に代えると「カイピリシマ」と呼びます。他のお酒をベースに替えた場合もそれぞれの呼び方があるのですが、総称として「カイピ」とまとめることができます。
ですので、カシャッサパンチ(パンチ=漬け込み酒)がベースのカイピリーニャもラムパンチ/アランジェ(フランス語圏での漬け込み酒の言い方)がベースのカイピリシマも、まとめて「カイピ」となるわけです。
漬け込み酒カイピのレシピ
<材料>
- ライム:1/2個を6等分にカット
- 上白糖:ティースプーン2杯~2.5杯(お好みで)
- 漬け込み酒:45ml
- 氷:細かく砕いたものを適量
<作り方>
- 大きめのロックグラスにカットライムを入れる
- 上から砂糖を加え、ソカドール(すりこぎ棒)でマッシュ(果汁をしみださせるように押しつぶす)する
- 漬け込み酒を注ぎ、馴染ませるように良く混ぜる
- 氷を詰め、馴染ませるように手早く混ぜる
- 氷を少量乗せる(冷気で香り立ちが良くなります)
- マドラーを添えて完成
さて、いかがでしょうか。
基本は好きな飲み方を楽しむのが一番ですが、困った時は是非、試してみてはいかがでしょうか。
それではまた次回。
ちょっとした豆知識
ちなみに「カイピ」というワードは、現代ジャズギタリストの最高峰であるカート・ローゼンウィンケルが2017年に発表したブラジル風のアルバムのタイトルにも使われています。 お好きな方は、お酒(漬け込み酒カイピ)のお供にどうぞ。https://www.arban-mag.com/article/41075
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