指文字の表現と、読み取りは別の回路
それぞれの手話教室や地域の講習会によって、手話の指文字の扱いは違います。CLを身に付けるため、まったく勉強せず使わないという教室もありました。
とは言え、覚えてて損はない指文字。しかし、思うように覚えられないのが指文字。せっせと、自分で表せるようになっても、次に訪れるのが、相手の指文字を読むことができない。これには、指文字を覚えるときに、自分から見ている方向に慣れてしまうのも、読めない原因ではないかと思います。
なので、指文字練習は、鏡の前で練習するのがおすすめです。まず、右手の場合は、相手が左手で表した時の指文字。そして、左手の場合は、相手が右手で表した時の指文字になります。
ピアノの運指練習用も毎日欠かさずやったから、なめらかな指の動きに繋がる
ふとピアノの練習を思い出しました。手のかかる人見知りだったこどあり、同じ保育園に通う子どもたちもいるのて、保育園と同じ場所で、開催している音楽教室に通い初めたのが4歳のころです。その頃はまだ、エレクトーンでしたが、小学校に上がると同時にピアノに変更。他意はなく、エレクトーンの先生がピアノを教えるからでした。それから18歳まで続いたわけですが、家での練習でもいきなり課題曲を弾くのではなく、「ピアノのテクニック」や「ハノン」そして「ツェルニー」などの運指練習用の教則本から始まります。運指と呼ばれる指使いの練習をすることで、指の動きや運び方がスムーズになっていきます。
手話もこれと同じで、いきなり指文字がすらすら動くことはありません。楽器と同じように、繰り返し指の動きが必要です。そこで、おすすめなのが、役者の方やアナウンサーの方には、発生練習に用いられる「あめんぼの歌」、正しくは「五十音」。
手話の前に、歌詞を覚えるのが大変そうですが、テンポや音のつながりで単語をつなげているので、楽しく覚えられます。意味を考えるとつじつまの合わないものや、ぷっと笑える面白い表現があるので、飽きずに練習できます。
「五十音」 作:北原白秋
あめんぼ あかいな あいうえお (水馬赤いな あいうえお)
うきもに こえびも およいでる (浮藻に小蝦も泳いでる)
かきのき くりのき かきくけこ (柿の木 栗の木 かきくけこ)
きつつき こつこつ かれけやき (啄木鳥こつこつ枯れ欅)
ささげに すをかけ さしすせそ (大角豆に酢をかけ さしすせそ)
そのうお あさせで さしました (その魚 浅瀬で刺しました)
たちましょ らっぱで たちつてと (立ちましょ喇叭で たちつてと)
とてとて たったと とびたった (トテトテタッタと飛び立った)
なめくじ のろのろ なにぬねの (蛞蝓のろのろ なにぬねの)
なんどに ぬめって なにねばる (納戸にぬめって なにねばる)
はとぽっぽ ほろほろ はひふへほ (鳩ポッポほろほろ はひふへほ)
ひなたの おへやにゃ ふえをふく (日向のお部屋にゃ笛を吹く)
まいまい ねじまき まみむめも (蝸牛ネジ巻 まみむめも)
うめのみ おちても みもしまい (梅の実落ちても見もしまい)
やきぐり ゆでぐり やいゆえよ (焼栗ゆで栗 やいゆえよ)
やまだに ひのつく よいのいえ (山田に灯のつく よいの家)
らいちょうは さむかろ らりるれろ (雷鳥は寒かろ らりるれろ)
れんげが さいたら るりのとり (蓮花が咲いたら瑠璃の鳥)
わいわい わっしょい わいうえを (わいわいわっしょい わゐうゑを)
うえきや いどがえ おまつりだ (植木屋 井戸換へ お祭りだ)
一節ずつ増やしてみてはいかがでしょう。この時、鏡を見ながら、右手、左手どちらも練習して下さい。シャドーイング練習の前にも、ウォーミングアップで動かすのもおすすめです。
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