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多様な価値観を認め合い、視野が広がる「ヒューマンライブラリー」

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多様な価値観を認め合い、視野が広がる「ヒューマンライブラリー」

生きた図書館、ヒューマンライブラリーとは

「ヒューマンライブラリー」とは、偏見を受けてきた、生きづらさを感じている社内的なマイノリティの人たちを本にみたて、「本を借りる(読者)」という方法で、本役の方の話を聞くことができる「生きた図書館」のこと。会場には、主催者によって本の案内パネルやブックリストを用意したりと工夫が見られます。1冊の本に対し、3名くらいまでが同時に本を借りることができ、30分間ほど話しを聞いたり、質疑応答があり、その人の経験や価値観、置かれてきた環境などを、生の声で聞くことができるイベントです。人を本にみたてるのは、おかしいと言う人もいるようですが、もしかしたらそういう人ほど参加してみるといいのかもしれないですね。

このヒューマンライブラリーは、2000年にデンマークのロックフェスティバルの会場ではじめたのをきっけに、今では世界90カ国で開催されているそうです。日本でも、大学などを中心に開催が広まっているようです。

読者として参加し感じたこと。顔を合わせることで自分ゴトになる

多様化が進む社会のなかで、気づかないうちに、一方的に偏った考え方や自分の意見を押し付けているかもしれない。そう思うことがあり、いろいろと探していると「ヒューマンライブラリー」という言葉に出会い、世田谷で開催していた「ヒューマンライブラリー」に参加してきました。これまで出会う機会がなかった、視覚障害者、薬物依存症克服途上者、難民申請者、イスラム教徒、セクシャルマイノリティの方など20冊以上の本役が集まり、彼らの体験や思いを聴くことができました。時間をかけて読む1冊の本よりも、30分間、顔を合わせて話しを聴くことの方が、得られる情報量が多く、今までに体験したことのない時間を過ごすことができました。

ヒューマンライブラリーに参加して感じたことは、少人数だからこそ自分ごとになるし、本役の方が身近に感じられること。本役も読者との距離が近いので、真剣に聴いている様子がわかり、表情も確認でき、話しやすいという利点があります。1対大人数の講演会では得られない感覚だと思います。また、一回の時間が30分程度なので、講演慣れしていない方でも話しやすい時間で質疑応答を含めると、真剣に話しを聴くには、ちょうどよい長さの時間でした。

メリットは読者だけではなく、本役にも

本役の方にアンケートを取ると、「また本役をやりたい」と答える方が多いそうです。自分の話しを真剣に聴いてくれる人が目の前にいることで、理解が深まっていくのを実感できることで、自己肯定感が生まれるそうです。冗談まじりで「本役は中毒性がある。これはいい中毒だね」が印象的でした。

本役も読者も中毒性がある「ヒューマンライブラリー」。これからもたくさんの「本」に出会ってみたいと思うイベントです。

執筆者:tata

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