6月から7月が収穫時期の山椒。
ミカン科の植物なので、柑橘系のいい香りが食をそそります。
触るとほのかに手に香りが移る山椒ですが、茹で始めると一瞬にして台所が柑橘系の香りに包まれて幸せを感じます。面倒な下ごしらえもちょっとうれしくなる瞬間。
この山椒の香りで思い出すことがあります。
小学3~4年生くらいのときに、夏休みの自由研究でアゲハ蝶の観察日記をつけたときのこと。このとき、はじめてアゲハ蝶の幼虫は柑橘系の植物を食べることを知りました。ちょうど、近所に誰が植えたわけでもなく、カラスの落し物から育ったと思われる山椒の木があり、母に教えてもらいながら、せっせと幼虫のご飯を調達。子どものころは、柑橘系と言っても山椒独特の臭いがあまり好きではなく、いつも変な臭いだなと思いながら摘み取っていました。
いまでは、部屋いっぱいに広がった、いい香りをクンクンして幸せな気持ちになるなんて、嗅覚も大人になったということです。さて山椒のことは覚えているのに、育てていた幼虫が、ちゃんと蝶になったのかは覚えていない。
香りの思い出は大人になっても覚えていることが多いのではないでしょうか。匂いで覚えていることは感覚なので、その香りに出会ったときに、思い出や感情が紐づいて蘇ってくるので、不思議な気持ちになります。
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