はじめての音声通訳なし講演
ろう者が出会える「たまり場」として、第1木曜日、第3木曜日にゲストを招いて講演会を行っている「じゃでら」に初めて参加してきました。「じゃでら」の講演では音声通訳がないので、手話をはじめて3年目でどれだけ読み取ることができるかと気後れし、なんどか参加を見送っていました。しかしこの日は、2018年4月から「みんなの手話」講師となった森田明(もりたあきら)さんということで、きっと健常者のお客さんも多いだろうと思い、参加を決意。そこは想像以上に参加者が多く、熱気でムンムンしている会場でした。
席につくまで、「こんなのはじめてだね」「座れるの?」と過去最高の客入りと思われる会話がちらほら。冒頭の森田さんの話しでは250~300人ほど集まったらしいです。ろう者と健聴者の割合はどのくらいだったのでしょうか。もしかしたら、健聴者の方が多かったようにも思えます。
予想外の大入りだったためか、少し遅れてのスタート。
はじめにNHK「みんなの手話」の講師がはじまってからはじめての講演だったそうで、「記念講演、みなさんおめでとう」と森田さん。自己紹介からはじまり、それから明晴学園のこと、みんなの手話について、そして講演に参加して話を聞くことができて良かった「日本手話」と「日本対応手話」の違い、などなど本当に盛りだくさんの講演会でした。
休憩なしの1時間45分、スタートは遅れましたが多岐に渡る内容で、長年教師をされていたということもあり、お話しが大変上手で、引き込まれるように手話を見ていました。後ろの席だったので、前の方の隙間を縫うように首をひっこめたり伸ばしたりしながら目を凝らしてしたので、終わったあとは、なかなかのぐったり感。読み取ろうと集中しているので、目と頭がフル回転。手話をはじめてから感じるのですが、よく、囲碁や将棋は知的活動と言われ、頭を使いながら指先を動かすので、脳の神経細胞を活性化し、認知症の予防になると言われていますが、私は手話も知的活動だと思うので、認知症の予防になるのでは!?と勝手に思っています。自分の表現したいことを指や身振り、表情で表すことはなかなかスムーズにできることではないことが、手話をはじめるとよくわかります。覚えている単語でも、会話のときに、すらっと出てこないことが多いのです。
講演では、子どもたちが表現する手話ポエム動画もいくつか見せてもらいました。表情や動き、空間の使い方が素晴らしく、情景が本当に目の前にあるかのように感じられます。物語の構成も、それぞれに工夫や個性があって驚きました。感情を表現するのが苦手な私とって、どうしたらあの豊かな表情を自然に出せるのか、まだまだ聞き手に伝えたいという思いが足りないことを改めて感じました。みんなの手話での裏話では、登場のしかたを毎回考えている話や、番組の最後「来週お会いしましょう!」の後のちょっとしたやりとりについての話も楽しかったです。
さて、今回うれしかった「日本手話」と「日本対応手話」の違いについてですが、ろう者方と話をしていると、パ、ピ、プ、ぺ、ポなどの口型が多く使われていることに気づくときがきます。ろう者との会話は、初めは、早い手話に圧倒し、手話を読み取ろうと手だけに集中してしまい、口型を見ることを忘れがちです。少しずつ慣れてくると、このパ、ピ、プ、ぺ、ポなどの口型をさまざまな場面で見るので、どんな意味があるのだろうと気になってきます。私も何度かろう者の方に、使い方を教えてもらってますが、習得するには、時間がかかります。さて、このパ、ピ、プ、ぺ、ポは、マウスジェスチャーと言うそうです。今回の講演会でもいくつか教えてもらいました。
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